local report
小さなことから・・・
自分たちの出来ることから始めていこう
支援=米200kg/メイズフラワー60kg/ジャガイモ50kg
いつもここに来ると子供達の笑顔と歌がある。今回も子供達が歌で出迎えてくれた。幸せな瞬間。今回ここに来て驚いた事は、ずっと更地になっていた場所に新しい施設がほぼ出来上がっていたこと。この孤児院は、小さい部屋が2つ。そこに1歳~6歳までの約120人の子供達が預けられていて座る場所も無いぐらい狭かった。新しい建物はレンガ造り。大きい部屋が1つ。以前のものと合わせて使えば、かなりの人数をあずかれる様になる。ここの運営者のママは、この他にも2つの孤児院を運営している。どこも満員で子供達の食事や着衣だけでも大変だ。それでもママが必死で色々なところに働きかけ、奔走し、その為、政府も海外からの視察団にここを紹介する為、他の孤児院に比べれば訪問者も多く、寄付も集まるし、比較的恵まれた環境にある。今回新しく建てられている孤児院も政府が働きかけてユニセフが建ててくれたのだそうだ。合計約300人の子供達。
それでも寄付が無い時は、子供達に昼食を与えることが出来ない。以前訪問した時は、お金が無いので子供達に食事を与えることが出来ず、午前中で子供達を帰宅させていた。マラウイの孤児院は、基本的に寝泊りする場所ではなく、昼間の間だけ子供達を預かるというシステム。スタッフは全員、ボランティア。子供達の中には、HIV/AIDSで両親を亡くし、自らも同じ病気に侵されている子供も少なくない。子供達は、歌を歌ったり、ダンスをしたり、絵を描いたり・・・とても健全だ。正直、ここで子供達を見る限り、“闇”を感じない。皆、先生の言う事を良く聞くし、何より笑顔が溢れている。しかし、家に帰れば、決して良い環境とはいえない。私が最初に出会ったステージ4のAIDS患者だったアリス(2006年7月没)の子供もここに預けられているが、面倒を見てくれている叔母も現在は、末期のAIDSで寝たきりの状態。彼女は、自分にもしものことがあったら姉の子供達はどうなるのか・・・と途方に暮れている。孤児院に来ている時、アリスの子供は他の子供達と同じように楽しそうに歌を歌っていた。でも実際は、彼を取り巻く環境は非常に厳しい。これが、マラウイ貧困層の現実だ。
提携先=Billy Riordan Memorial Clinic/無料診察クーポン 大人500枚 子供1000枚/米1kg×70袋
メイズフラワー1kg×40袋/小麦粉1kg×30袋/コンドーム500個
ゆっくりと時間が流れ、夕刻になると真っ赤な夕陽が湖の向こうに沈んでいくチェンベ村。この村は、別名ケープマクレアと言われ、世界遺産に登録されている。大きなロッジが建ち並び、外国人の観光客も数多く訪れる。なんでも、ダイビングのライセンスを世界で一番安く取得出来る所なのだそうだ。もし、私が観光でこの村に来ていたら「良い所だなぁ・・・。」と、ただ平和な時を過ごしてしまったであろう、本当にリラックス出来る場所。しかし、一見、何の問題も無い様に見えるこの村にもHIV/AIDSという大きな闇が潜んでいるわけで、その闇は、色々な意味で深い。
今回のチェンベにおける支援に関して、Billy Riordan Memorial Clinicの医師、ジャネットと話しをし、トランスポート・クーポンを廃止することにした。その理由として、ガソリン代の高騰により、限られた予算の中でトランスポート・クーポンの発行枚数が少なくなってしまう事、Billy Riordan Memorial ClinicでHIV/AIDSの治療が可能になったことがあげられる。
マラウイでもガソリン代は急騰しており、1リットル=130円くらい。その為、トランスポートの会社が軒並み料金を上げた。チェンベ⇔モンキーベイの往復が以前はMK300だったものが今はMK400。30%以上も値上がりした。ここでも力関係が働いていてトランスポートの会社がMK400と言えばそれに従うしかない。しかし、日本や欧米のタクシーとは違い、トラックの荷台に乗せきれないほどの人を乗せていくわけで、走行距離は変わらないのにこの値上げはおかしい。結局、トランスポートの会社だけが、ぼろ儲け・・という訳だ。そのうえ、JAGのトランスポート・クーポンの使用をめぐり、4社あるトランスポートの会社が取り合いをし、もめていると言う。そんな事になるのなら、いっその事トランスポート・クーポンを無くし、全てをクリニック・クーポンに切り替えたほうが、より多くの人が治療を受けられると判断した。
幸い、今年からBilly Riordan Memorial ClinicでもHIV/AIDSの治療が出来るようになり、新しく入院出来る病棟も完成した。設備を見せてもらったが、シャワーも完備していてマラウイではかなり良い環境だと思う。医師や看護師もヨーロッパからのボランティアで大勢来ている。(・・・日本人が1人も居ないのはちょっと寂しい。)ちなみにこのクリニックで通常お金を支払って診察を受ける場合、大人がMK150,子供はMK50に設定されていて、薬代は無料。こんなに安くてもそれを支払えない人が大勢いる。それでもこの村の人たちは、本当に恵まれていると思う。ただ一時的でも多くの海外のNGOが入っている為、村人が支援慣れしてきている感はいがめない。今回から、Billy Riordan Memorial Clinicに一括してクーポンを渡すことにした為、不正の心配が不要になった。また、クリニックに来た患者さんの中で栄養失調にかかっている人たちにも医師の判断で米やメイズ・フラワー、小麦粉を渡して貰えるので安心だ。
VCT(HIV/AIDSの血液検査)のスポンサーになる
トランスポート・クーポン(ムサカ⇔モンキー・ベイ)大人40枚/子供 10枚
トランスポート・クーポン(ムサカ⇔マンゴチ)大人500枚/子供 100枚/コンドーム1000個
この村は、前回 無料VCT(HIV/AIDSの血液検査)のスポンサーになった所だ。VCTを実施した結果、26.8%が感染していて緊急トランスポート・クーポンの配布を行った。あれから約8ヶ月。前回のVCTでポジティブと出た人達の中でステージ4に移行していなかった人達の多くが、病院で薬を貰い服用したことで、非常に元気になり、仕事に復帰しわざわざお礼を言いに来てくれた。(残念ながらステージ4に移行していた人の大半は亡くなっていたけれど。)ほとんど動けなかった女性も今は畑仕事に復帰し、母親の面倒を見る為に学校を休んでいた息子も学校に復帰した。本当に嬉しそうだった。皆の顔に笑顔が戻っていた。
この活動を行うまでAIDSの薬がこれ程までに進行を抑えられるとは思っていなかった。毎日薬を欠かすことさえしなければ、普通に日常生活が行える。そしてそれは、早い時期に発見されるに越した事は無い。前回、この村でVCTを行った時に、多くの人達が「具合は悪いが、それでも自分がAIDSに感染している事を知りたくない。絶望的になるだけだ。どうせ知ったところで病院に行くお金は無いし・・・。」と言っていた。しかし、前回、VCTの後にトランスポート・クーポンを配布し、病院に行った人たちが皆元気になっていったのを見て人々の意識が変わったと言われた。これは大きな一歩だと思う。
そして今回、2度目のVCTのスポンサーになり、ムサカ村のHIV/AIDSの状況を調査した。今回は、村のチーフが学校の校長ということもあり、多くの学生が検査を受けに来た。幸い、20歳以下には、感染者が見つからなかった。これは、凄く重要なことだと、VCTのチーフが言っていた。ここでは、14歳位からSEXを経験する者が多く、そういう状況の中での0%は、将来的に希望が持てるということだ。このままキチンと教育を受け、SEXする時には、コンドームを使用するようにして欲しいと心から思った。しかし、相変わらず20歳以上になると感染率は25%以上と非常に高い。特にこの村は、漁師が多く、漁の時期になると他の村からも漁師が揚荷を行う。マラウイでは、漁師の感染率が非常に高く、その漁師が丘に上がって夜這いをしたり、貧しい女性と魚と交換で性交を行ったりで感染が広がっていくのだそうだ。ムサカでもこうしたことから感染が拡大していったと言う。出来ることならマラウイ湖畔の各村にある漁師の組合と話しをして漁師を対象に一斉にVCTを行いたいところだ。そして、コンドームの使用とAIDS薬の有効性に関しての話しをしたいと思う。
ムサカ村において、前回は、チェンベで協力隊の活動をしていたF君が、トランスポートのお金のチェックをしていてくれたのだが、F君が帰国してしまった為、村のチーフ、ソーシャルワーカー、ボランティアの人たちを中心にマラウイの人だけで管理をしてもらうことにした。ただ、全部を一時に渡すのではなく2006年4月から私達と行動を共にしてくれているマッキーが、2ヶ月に一度、ムサカに行ってリストとお金をチェックし、それを私達に報告してもらい、私達の指示で次回分のクーポンとお金をムサカのスタッフに渡すというやり方で当面行っていく。この村の人に関していえば、今まで、海外のNGOからの支援というのが殆ど無いことから、(学校を作ってもらったり、住血吸虫の薬を一年に一度配ってもらったりということはある)JAGの支援を非常に大切に思ってくれていて不正をすればそれが無くなる・・という意識を皆が持っている。その為、F君がチェックしてくれていた時も一度たりとも不正は行われなかった。しかし、今回のように一切、現地で外国人が関与せず、こういったやり方で支援を行うのは、ひとつの挑戦だ。果たして、お金をごまかすことなく、クーポンを公平に使用することが出来るのかどうか。
将来的には、現地の人達がNGOを作り、そことJAGが提携して支援を行うという形が取れればと思っている。今回の試みはその第一歩というところだ。最終的には、自分たちでどうにか出来なければ何も解決しないのだから。
今回の訪問で、大歓迎されたのが日本の風俗譲たちが寄付してくれたコンドームだ。今回も約1500個のコンドームをクリニックやVCTスタッフに手渡した。日本製のコンドームは非常に評判がよく、前回VCTのスタッフが検査に来た人たちに配ったところ、しばらくして 多くの人がもう少し貰えないかと訪ねてきたのだそうだ。クリニックでも「日本製のコンドームだったら皆がコンドームを使うようになるわ!!」と言われた。アフリカの多くの国では、圧倒的に男性の権限が強い。それは、貧困層なども同じでコンドームを使うかどうかは、男性次第。今までは、そのコンドームが“ゴム臭い”“使用感が悪い”と不評で男性が使おうとしなかった。
しかし、日本から持っていったコンドームなら“使いたい”と言う。これは、凄い収穫!確かに世界中で日本のコンドームの評判は良い。
欧米人のお土産にもよく選ばれるし、アフリカの貧困地域の男性でさえ“最高!”というのだから。
それにしてもコンドームの良し悪しで皆がコンドームを使うようになるなら、マラウイでもコンドームの改良をすればHIV/AIDSの感染は激減するのに・・・。マラウイだけでは無理だというのならアフリカ全体でそれに取り組めば可能なような気がする。AIDS薬を服用する事も大切だけど、それはあくまで事後処理であり、根本的な解決ではない。意識改革と措置を講じていかないといつまでもこの問題はなくならないと思うし・・・。
さて、日本のODAのあり方が、注目されている今、相手の政府に言われるままの無駄な人材派遣やお金を渡すだけの協力ではなく、本当に現地に必要な支援をよく考えて、(特に貧困層の人達がどうやって自分たちの手で生きていかれるか)支援を行って欲しいと思うのだが、このコンドームの改良問題、もしかしたら日本の技術協力があれば可能なのではないだろうか?日本には、世界に誇れる技術力がある。近い将来、日の丸がコンドームのパッケージになって世界中の貧困地域で使われていたら最高なんだけど。それともそんな簡単なことではないのかな?
マラウイで支援を始めるようになってVCT(HIV/AIDSの血液検査)がいかに重要かを知った。現在、HIV/AIDS薬は、かなり進化していて初期段階でこの病気に感染していることが判れば、薬を飲むことで日常生活を送ることが出来る。勿論、現段階では完治は出来ないが“AIDS=死”ではなくなった。AIDSという病気が厄介なのは、感染してから発病するまでに6年~10年(生活環境によっても変わる)かかるということで その間、体調や見た目にもそれほど変化がないことから、知らず知らずのうちに他の人に移している可能性があるということだ。自分にそのつもりはなくても知らぬ間に他人の人生をHIV/AIDSに巻き込んでしまうかもしれない。
それは、本当に悲しいことだと思う。
しかし、現在日本は先進国の中で唯一、AIDSが増え続けているという現実がある。一日4人が感染していると伝えられているが、VCTが浸透していないこの国で その数字は、過小評価だと思う。でも、どうしたらVCTが浸透し、AIDSという病に真剣に向き合うようになるのだろう。マラウイのVCTで使用されているチェッカーは、上記写真の簡単なもの。
これは日本では、一般的に販売されていないが、アメリカなどでは簡単に購入できる。私も個人輸入で同じタイプのものを購入したが、使い方はいたって簡単。指先に細い針が付いた器具をあてボタンを押すと“プチッ”と針が刺さる。指先を押すと少量の血が出るのでそれを別の機具に垂らす。そしてそこに薬剤を加えるとアッという間に結果がわかる。
現在、日本では保健所や検査施設に行く、いわゆる対面式、もしくはインターネットなどで検査キットを取り寄せ、それを送り返して数日後に結果をネット、もしくは郵送で知らされる・・という方法。
しかし、このやり方では、もし、ポジティブの場合、検査機関の人とはいえ、心構えが出来ないていないまま、現実を他人に突きつけられるわけだ。果たしてこのやり方でAIDS検査が一般的になるのだろうか?
そこで・・・・もし日本でも自宅で出来る検査キットが販売されれば、もっとAIDSに対して皆が向き合うのではないかと考えた。まずは自分一人で検査をする。陰性ならば「ホッ」。もし陽性ならば自分の現状とキチンと向き合い、心構えが出来てから病院へ行く。ようは妊娠検査キットと同じ。何故今現在、日本で自宅検査キットが販売されていないのかは判らないが、コンドームと同様、自動販売機で気軽に購入出来るようになればAIDSの早期発見も可能になり、感染拡大も防げるような気がするのだが。先にも記したが、現在AIDS薬は物凄く進化している。毎日キチンと薬を飲めば、病気の進行を抑え、健常者と変わらずに生活できる。私が知るマラウイのAIDS患者たちの多くも食事をキチンと取り、薬を飲むことで物凄く元気になっている。ほぼ寝たきりだった人が薬を飲むことによって今では元気に畑で働いている。
ともかく大事なのは、自分が感染しているかどうかを知ること。自分の身は、大切な人の身は、自らが守ろうとしなくては、誰も守ってくれない!ともかく身に覚えのある人も、無い人も自分のために、大切な人のためにVCTをやっておこう。
それにしても日本も もう少し本気で教育、キャンペーンを徹底し、AIDSそのものに対しての認識、防御方法、現在の治療方法とその効等を浸透させていかなくては、AIDSの感染拡大は防げないような気がする。
2008年3月7日孤児院にもって行く為の米を買うためにローカル・マーケットへ行った。米の価格が高騰していた。前回1kg=MK60だったものが、MK130に。倍以上の価格。理由を聞くと主食のメイズ・フラワー(トウモロコシの粉)が入手困難なため、米の価格も上昇しているという。昨年は、トウモロコシも豊作で食料には事欠かないという話しを聞いていたので本当に驚いた。そこで政府が主食のメイズ・フラワー(トウモロコシの粉)を管理しているアドミックに行ってみた。ここは、マラウイ全土にあり、一般の人たちがメイズ・フラワーを購入する場所だ。アドミックに行くとメイズ・フラワーは無いと言う。何軒か行ってみたが、どこも同じ答え・・・驚いた。政府がコントロールしているはずのメイズフラワーが、アドミックに無い。マラウイでは、人々がトウモロコシを作り、乾燥させ、粉にしたものを政府が一括買い上げし、それに価格を付け、全国のアドミックに送る。それを一般の人たちが購入するわけだ。
今年のメイズフラワーが出回る6月、7月にはまだ日がある。街の人々に話しを聞くと「ローカルマーケットにメイズフラワーが流れて高値で売られている。」とか、「自分の国に食べ物が無いのに政府は、ジンバブエにメイズフラワーを売っている。」とか・・。人々は、怒りをあらわにしていた。何が真実なのかは判らないが、主食のメイズフラワーが、ほとんど入手出来無いこと、あったとしても物凄く価格が上昇していることだけは確かだった。仕方が無いのでリンベ・マーケットという、卸市場に行き、米とメイズフラワーを購入した。50kgの米がMK5,900、メイズフラワーは100kgでMK8,075。7月頃だと50kg=MK800でメイズフラワーを購入出来るというから約5倍の価格。それにこの卸売市場では、米は50kgから、メイズフラワーは20kgからしか購入できない為、貧困層の人々は到底、手が出せない。ミドル~アッパークラスの人々は、メイズフラワーが出回る7月頃に大量に購入し、貯蓄しておくのだそうだが、貧困層や病気を患っている人たちにそんな余裕は無いだろう。
African JAGが支援してきたHIV/AIDS人々の中にも一時は、支援により病院へ行かれるようになってかなり体調が良くなり仕事に復帰したのだが、結局メイズフラワーや米の急騰により、まともな食事が出来なくなり、その上、強い薬を飲むことで 又、体調を崩し、寝込んでしまっている患者さんがいた。もし、先進国で主食の価格がいきなり5倍になったらどうなるだろう?国民は怒り、声をあげ、マスコミは一斉に政府を非難し、大変なことになると思う。・・・と、いうかそんなことが起こる前に何かしらの手が打たれるだろう。これが、先進国と途上国の大きな違いなのだろうか?
今、世界中で穀物の価格上昇が言われている。その要因は、色々。しかし、そうした中で一番被害をこうむるのは、発展途上国に住む貧困層の人たちだという事、そして早急に手を打たなくては、彼らの命が消えていくのも時間の問題だということを忘れてはならない。
今回のマラウイ訪問で早期解決策を講じる必要があると思ったのは「ゴミ」。マラウイの貧困エリアにおいては、毎年マラリアやコレラによる死亡者が数多く確認されている。今回、ブランタイアのNdirandeというエリアに行った。ここは、貧困層、ミドルアッパー層が混在して居住している地域だが、私が足を踏み入れたのは、どちらかというと貧困層エリア。アルコールを飲んで泥酔している者や暴力を振るう者、ナイフを使った強盗などの犯罪も多発しているところだ。
私がこの場所を訪れた時は、もう夕方5時を回っていて暗くなりかけていた。その為、既に多くの人が泥酔しており、実際車を蹴られたり、罵声を浴びされたりもした。マラウイはアフリカの中では、かなり治安も良く、人々が優しいのだが、このエリアに関しては相当危ない所だった。・・・で、このエリア、驚いたのはゴミ。車の通り抜け出来ない細い道を歩くと、どこもかしこもゴミだらけ。とうもろこしの芯やチキンの骨、魚の骨、等のいわゆる生ゴミからビニール袋、タイヤの屑、ボロボロの布etc。ともかく大量のゴミがその辺に捨てられている。特にかつては川だったであろう場所は、今では水が無く、ゴミの川と化していた。そこに排尿する酔っ払いの男たち。悪臭が漂う。最悪の環境だ。ゴミに関してはNdirandeだけではない。JAGが支援を行っているムサカも酷い。ここもコレラやマラリアが多く発生し多くの人が犠牲になっている。特にムサカは、漁の時期になると他の村からも多くの漁師が揚荷の為にこの村を利用するのでゴミの量も半端ではない。
人々の環境に対する意識も低い。コレラの発生に伴い、衛生省から何度も指導が入っているそうだが、一向に綺麗にならない。それでもここは、ナショナルパーク。
Ndirandeに関しては、今現在、手をつける事は出来ないが、ムサカに関しては次回の支援から具体的な改善策を提示し、ボランティアや村のお母さん達と共に実行に移したいと思っている。また、学校でも子供達と話しをし子供達の意識を高めること、また子供達を巻き込んで村のクリーンアップ作戦を行う予定だ。
ムサカは、約10,000人が居住しているが、病院もなく携帯のネットワークも救急車も無い。AIDSの感染率も高く、その上、コレラやマラリアの大量発生では、死者は増えるばかりだ。特に弱者である女性や子供が色々な意味で一番の被害者になる。村を綺麗にすることでその被害の拡大を防ぐという事をキチンと理解してもらい徹底させたい。
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